Nasu Animal Kingdom Official Blog オフィシャル・ブログ |
王国タウン | 2020/11/23 |
ジェンツーペンギン成長記録1

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王国タウン | 2020/11/23 |
みなさんこんにちは、飼育員の川田です。
産まれました!
今回は立派に成長したヒナたちの成長過程を
お届けします。
7月12日生まれ
名前:アーク
7月18日生まれ
名前:アイル
7月18日生まれ
名前:アレス
この3羽は兄弟ではなく
それぞれ別のペアから生まれました。
名前がまだ決まっていなかったのですが
ついに今月11月にお名前が決定いたしました
7月生まれということで
<7月の夜空に見える明るい星>から
それぞれお名前をもらいました。
ジェンツーペンギンの孵化直後の体重は約80g
手のひらサイズの赤ちゃんの誕生!
まだ目は開いていませんが
羽毛はしっかり生えていてフワフワ
翼(フリッパー)はとっても小さいです。
寝顔はまさに天使。
寝相もさまざま。
フリッパーを上げていたり
生後2~3日で目が開いてきました。
赤ちゃんは寝ることが仕事。
ミルクをあげている途中で寝てしまう事も
しばしばです。
ありながらも活発に動くようになってきます。
ヒナのうちにしっかりと運動させ
筋肉をつけることもとても大切。
動いた分だけお腹を空かせ
ミルクをたくさん飲み
そしてたくさん眠ります。
こちらは生後約一週間のヒナです。
たった一週間ですが、だいぶ体も大きくなり
顔つきもしっかりとしてきましたよね(^^)
ジェンツーペンギンの成長はとても速く
フンボルトペンギンやケープペンギンといった
温帯に住む「温帯ペンギン」に比べても
さらに速いです
では、なぜこんなにも成長スピードが
速いのでしょうか??
ミルクの量にあります。
生後2週間くらいまでは一日に5回
スタッフがミルクを与えています。
成長のピーク時、ジェンツーペンギンの
ヒナ達は、一日に体重の約80%以上もの
ミルクを飲むことも少なくありません。
さあみなさん、よく考えてみてください...。
80%ですよ???
私たちには自分の体重の8割のごはんを
一日に食べるなんて到底できませんよね...。
では、なぜこんなにも多くのミルクを
飲むことができるのでしょうか?
それはジェンツーペンギンたちが南極周辺に
住む「極地ペンギン」だからです。
温帯ペンギンたちは気温が高く、餌も比較的
豊富なところに生息していますが
極地では気温が低いうえ、海氷などによって
餌をとるというのはとても大変なこと。
子育てをしなければなりません。
ゆっくりとした成長スピードでは
親の体も持たないので、できるだけ早く
ヒナ達を育てる必要があります。
そのために親たちは短い期間でヒナが育つよう
ミルクをたくさん与え、3ヶ月ほどでヒナは
巣立ちします。
なんとCちゃん、体重の106%のミルクを
飲んだ日もありました...。すごい。
ミルクを飲んだ後のヒナたちのお腹は
枕にされるAちゃん(笑)
さて、少し話しはそれますが、ヒナたちの
写真を見ていただくと、お腹の真ん中
下あたりに切れ込みのようなものは何だろう?
と思った方はいますでしょうか??
お腹が裂けたのではありません!
実はペンギンたち、元からこの部分には
みんな羽が生えていないんです。
ではいったいなぜなのか...?
それは、親が卵を産んだ際、自分の体温で
直接卵を温めることができるようになんです。
普段は体温が奪われないように、卵を抱くとき
以外は周りの羽毛がこの部分をしっかりと
覆っているため、大人のペンギンを見ても
ここに羽が生えていない事には
なかなか気がつけません。
ですが、この体の仕組みは多くの鳥類がもつ
特徴の一つでもあります。
毎日お世話をしていると、新しい発見や
可愛いなと思うポイントもたくさんあります。
私の一押しはペンギンたちのおしり。
ヒナのうちは脚を後ろにほっぽり出して
脚が黄色いのが特徴のジェンツーペンギン。
でも実は脚の裏って黒いんです!
意外とペンギンの脚の裏を見る機会って
ありませんよね(^^)?
では、このあたりで第一弾は終了!!
ヒナの成長記録の続きは次回にも続きます。
どんどん成長して大きくなっていく
ペンケツ写真もお楽しみに!