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王国タウン 2019/06/28 Nasu Animal Kingdom Official Blog オフィシャル・ブログ

マヌルネコ誕生記録

2019年6月福本ブログマヌルネコ1.jpgみなさん、こんにちは。

本日は、今年の春に誕生したマヌルネコの赤ちゃんの誕生から今日までを振り返り、皆さんにお届けしたいと思います。

(先にお伝えしておきますが、今回のブログだけで書ききれる気がしていません。その為、続編・続々編を更新する予定です。ご容赦ください。)

2019年4月22日(月)

マヌルネコのボル(♂)とポリー(♀)の間に赤ちゃんが誕生しました。


2019年6月福本ブログマヌルネコ2.jpgマヌルネコは準絶滅危惧種に指定されていて、とても希少な動物です。

また、野生では雑菌などが少ない高地に生息している為、感染症に弱く、飼育下での繁殖はとても難しいと言われています。

もし、繁殖に成功したとしても、多くの子猫が大人になるまでに感染症にかかって死亡してしまいます。

赤ちゃんは8頭産まれましたが、1頭は死産(胎児が死んだ状態で分娩されること)でした。

残った7頭の子供たちは、産まれて5日間ポリーに任せていました。

しかし、ポリーの体調が思わしくなく、子供たちを人工哺育する事になりました。

ポリーは体調が悪くなったにもかかわらず、必死に子育てをしており、人工哺育に切り替えるのは苦渋の決断でした。

いざ、取り上げるとなった時も、ポリーは取られないように必死で守ろうとしました。

今思い出しても、とてもとても心が苦しくなり、きっとあの光景は一生忘れる事が出来ません。

しかし、取り上げたからには残った子供を育てる事に気持ちを切り替えて、ポリーの体調の回復と人工哺育が始まりました。


2019年6月福本ブログマヌルネコ3.jpgここからは、人工哺育の様子をダイジェストでお伝えします。

(授乳中)生後5日齢

写真で見て分かるように、とても小さいのでミルクを口に出す量や、首を支える力加減など慎重に慎重に行います。

しかし、時間をかけすぎると、子猫の体温低下や体力の心配があるので迅速且つ丁寧に。

という感じです。


2019年6月福本ブログマヌルネコ4.jpg(授乳後、ゲップを促しているところ)生後5日齢

とても小さい体なので、指で優しくトントントンという感じです。


2019年6月福本ブログマヌルネコ5.jpg(お腹がいっぱいになって寝ているところ)生後6日齢


2019年6月福本ブログマヌルネコ6.jpg(可愛いうんち)

生後しばらくは、ミルク後に肛門・陰部周辺を優しく刺激して排泄を促します。


2019年6月福本ブログマヌルネコ7.jpg(ミルクの出る量などを確認中・台の上にいる黒いのが子マヌルです)生後7日齢

写真で分かるように、防護服・マスク・手袋を着用。

体全身に消毒液をかけ、靴を履き替え、消毒が済んだら一切なにも触れない...

などのルールを徹底し感染症予防をしていました。 

しかし、初めにお話ししたように、マヌルネコの人工哺育はとても難しくリスクが高いです。

これまでの写真を見る限りは問題のないように見えますが、その後5頭は感染症で死亡し、2頭だけが生き残りました。

ポリーから取り上げて、絶対に死なせない・どうにかみんなで守ると誓ったはずなのに

守れなかった。

次々と死亡していく子マヌルを見て、胸が張り裂けるような感情と同時に、残っている子をどうにか守るという感情の繰り返しの日々でした。

なんとか頑張り、生き残ってくれたのが「Cちゃん」と「Eくん」です。

次回は、残った2頭の成長していく姿などをお届けします。

可愛いほっこり話から、一気に辛い話になってしまいましたが、辛い事も含めて今があります。

このブログを通して、マヌルネコの人工哺育の難しさや、子猫の可愛さ、命の尊さなど、色んな事を感じて頂けたらな、と思います。

それでは次回の更新をお楽しみに☆


2019年6月福本ブログマヌルネコ8.jpg最後に...体調も戻り、ポリーは元気になりました。

本当に良かった。

飼育員 福本